札幌comixのフロントマン宮本康太氏のソロ作品。
本作はその仲間達を加えレコーディングされた「宮本康太バンド」による全11曲収録のフルアルバム！

とても印象的なアートワークのスリーブも美しい。デジパック仕様。


:作品レビュー :

2016年、惜しまれつつも突如活動停止した札幌スリーピースロックバンド・comixのフロントマン・宮本康太。 　

comixの活動停止後、自身のプライベートアトリエを自ら改装し『灯幻郷』と名付けてアトリエの運営を開始し、様々なアーティストや仲間を一堂に会して『灯幻郷』を無料開放する小さなお祭り『おけら市』の開催や、
同名の音楽レーベル“灯幻郷”を立ち上げ、札幌を拠点に活動する8人組のブルースバンド・THE人生ズを輩出するなど新たなイマジネーション＆アクションを次々と起こしながら、もちろんその間も彼の作曲活動や歌は鳴り止むことはなく、エレキギターをアコースティックギターに持ち替えて、ひとり北の大地で転がり続けていた。 　　 　

そして来たる2019年9月23日、札幌で活動するバンドマンやアーティストに宮本康太自ら声を掛け結成したその名も“宮本康太バンド”として、アトリエ『灯幻郷』でレコーディングをした全11曲45分の1stアルバム『げんげ』を自身のレーベル“灯幻郷”よりリリースする。 　

このアルバムは、古い友人からの手紙、はたまた愛する家族からの手紙のようなぬくもりがある。 　

何度もひとりで読み返しては、元に戻れるような、気づきと救いの連続で、まるで康太くんが先生のよう。 　
語りかけるような彼の独特な歌声はさらに研ぎ澄まされながらもあたたかさを増し、まるで愛する我が子に諭し伝えるような真摯さを感じる。 　
恥じらいもなく限りなく本質を曝け出し放たれ紡がれるポジティブな言葉の数々は、シンプルでありながら決して借り物の言葉ではない確かな熱があり、不思議なほど柔らかくスッと心の奥まで沁み渡り火を灯す。 　それはきっと宮本康太が自らの歌を体現している、稀に見る尊い歌い手だからだろう。

“宮本康太バンド”のメンバーたちにより驚くほど鮮やかに彩られたそれぞれの楽曲たちは一括りにはできるものではなく、 ロックンロールあり、ブルースあり、バラードあり、ポップスあり、DUBチューンあり、いやはや、言葉で説明するには苦労してしまうほどに多彩を極めるバラエティ豊かな上質な楽曲の数々。 “宮本康太バンド”はバンドオーケストラと言えばよいのか、弾き語りでも、スリーピースでも表現できない、宮本康太の灯した幻が現実の音楽として生まれてしまった、というよりほかはない想像を遥かに超える壮大なスケールを持っている。 　

待ちに待った宮本康太の転がり続ける人間賛歌。 　 　

ひとりで歩く、あなたのおともになる一枚。

人間堂　平山

■収録曲
1. 幻魚　
2. うさばらし　
3. 若葉の匂い　
4. 満足節　
5. 嫌なことは嫌さ
6. おけらのうた　
7. 春　
8. やってみな　
9. ラストシーン　
10. ブルー　 1
1. 風景画

■メンバー Vo/A.Gt　宮本康太 Gt/Cho　遠藤八郎（THE THANKS） Ba/Cho　モンモン（St. ELMO’S FIRE） Key　奥山京（奥山漂流歌劇団） Dr　アナべべ（DON KARNAGE / YOUR BOYS）

■ゲストプレイヤー Bugpipe（M-3）　ニニ（若葉） Trumpet（M-5,6）　アキトチ（The Sleeping Aides & Razorblades） Fidle（M-1,10）　ぼぶ（奥山漂流歌劇団） Cho（M-6）　THE人生ズ



(JPN:2019.Oct.11TRACK)